弁護士インタビュー

足立理 弁護士

70期 / 2019年入所

足立先生は、他の法律事務所から移籍されたと伺いましたが、岩田合同法律事務所へ移籍した理由をお聞かせください。

私は、司法修習後、いわゆる大規模法律事務所に入所しました。そこでは、先端的な大規模案件に関与する機会が多く、そのような案件に携われることにはとてもやりがいを感じており、また、先輩弁護士や同期の弁護士にも恵まれ、充実した毎日を過ごしていました。その一方で、先端的な大規模案件の場合、当然のことではありますが、若手弁護士には案件の一部分しか見えないことも多く、全体を把握できるような規模の案件や様々な法分野の案件にも若手のうちからバランス良く関与できるような事務所で働く方が、より自分に合っているのでないかと考えるようになりました。 縁があって当事務所に移籍しましたが、当事務所には、訴訟案件、M&A案件、危機管理案件等、多くの弁護士が協働するような比較的規模の大きい案件のみならず、日常的な法律相談を始めとする様々な規模・種類の案件にもバランス良く関与することができる環境があり、私の転職理由に合致する事務所でした。また、面談等を通じて、所属弁護士の雰囲気や事務所の風通しの良さに惹かれ、転職を決意するに至りました。

移籍をして、業務への取り組み方やプライベート等に変化はありましたか。

業務への取り組み方には大きな変化がありました。当事務所では、弁護士ごとの個室はなく、パーテーションで仕切られたブースで執務をしているため、パートナーを含め、どの弁護士に対しても声をかけやすい執務環境になっています。 私は、案件の処理で悩むような場合などに他の弁護士のデスクに相談に行くことが多いのですが、このような執務環境もあって、弁護士間での円滑なコミュニケーションを図ることができています。 プライベートについては、以前よりも時間を確保するように意識しています。もちろん案件の状況により忙しい時期が続くこともあり、休日返上で仕事をすることも少なからずありますが、当事務所の弁護士はオンとオフの切り替えがしっかりとしている弁護士も多く、また、ワークライフバランスの考え方も尊重されていると感じています。企業法務を専門とする弁護士として働く以上、業務優先になることが多いのは事実ですが、先輩弁護士の様子を見て、業務のクオリティを高めるためにもしっかりと「休むべきときは休む」ことの重要性を実感しています。弁護士間で上手くコミュニケーションをとることで、仕事とプライベートの両方を充実できるように心掛けています。

事務所内はどのような雰囲気でしょうか。

当事務所は100年以上の歴史のある法律事務所であり、「Our Firm, Our Client」の理念を共有しています。個々の弁護士のクライアント・案件ではなく、「岩田合同法律事務所」という事務所のクライアント・案件であるという認識の下、創設時から連綿と受け継がれている伝統を大切にし、所員一丸となって対応しています。そのため、仕事に対する姿勢は誠実であり、また、厳しい部分もあると思います。 多くのステークホルダーで成り立っている企業をクライアントとして仕事をする以上、高いクオリティを求められることは当たり前のことですが、そうした厳しい環境に身を置くことで、自身の成長につながっていると実感しています。 一方で、当事務所には、長年にわたる歴史からか物腰の柔らかい弁護士が多く、私自身も不合理に𠮟責される等の場面に遭遇したことはありません。私が当事務所に入所した後も、たくさんの新人弁護士が当事務所に入所していますが、私を含め、若手弁護士であっても、自由闊達な雰囲気の中で、積極的に議論に参加できており、それぞれの弁護士がいきいきと仕事をしています。また、弁護士間だけではなく、弁護士とスタッフとの間にも垣根がなく、過ごしやすい事務所であると感じています。

数多くのクライアントから様々な依頼があるようですが、仕事のやりがいと心掛けていることについてお聞かせください。

仕事のやりがいを感じるのは、やはりクライアントから感謝されるときです。当たり前のことですが、弁護士の仕事はクライアントのために行うものですので、そのクライアントに感謝され、喜んでいただけることが全てだと思います。当事務所では、若手のうちから案件のフロントで対応するため、クライアントの担当者や、ときには役員の方とも直接やり取りする機会も多く、クライアントの反応を直に感じることができます。自分なりに一生懸命頑張って取り組んだ仕事を直接評価していただけることは、次の新しい仕事へのモチベーションにもつながります。 そのようなクライアントとの関係性もあり、私自身は、仕事を進めるにあたっては常にクライアントの思い・考えに想像力を働かせるように心掛けています。法律の専門家である以上、法的に正確なアドバイスをすることは当然のことですが、それだけでなく、そのアドバイスが本当にクライアントの望んでいるものであるのか、他にクライアントの思い・考えを実現できる方法はないのか等、様々な角度から思いを巡らせて検討するようにしています。

クライアントから依頼を受けた案件以外には、どのような業務があるのでしょうか。

セミナーや講演会、書籍・論文の執筆といった業務があります。当事務所では、若手のうちからセミナーや講演を行ったり、執筆活動を行う機会に恵まれています。実際に、私も入所してから数年の間に、知的財産法・独占禁止法に関する書籍やIPOに関する書籍を執筆したり、個人情報保護法、メディア・エンターテイメント法に関する論文を英語で執筆する機会に恵まれました。また、主要な法改正に関する社内セミナー等を担当したり、ポルトガルで行われた国際弁護士団体主催のパネルディスカッションに当事務所からの参加メンバーとして出席したこともありました。 他の同僚弁護士の中には、1年目から外部機関が主催するセミナーの講師をパートナーと一緒に担当した者もいますので、他の法律事務所と比べると、若手弁護士にもそのような機会が回ってきやすい環境なのだと思います。 入所から5年が経ちますが、私は現在でもこのような執筆やセミナー等に継続的に参画できており、入所当時と比較して、様々な経験を積んでいく中で、弁護士としての自信も徐々についてきたように感じています。

お忙しい毎日かと思いますが、プライベートではどのようにお過ごしでしょうか。

週末は好きなスポーツをして気分転換することが多く、同僚弁護士と誘い合わせて、バスケットボールやフットサルなどのスポーツを行ったりもしています。また、キャンプがマイブームで、同僚弁護士とレンタカーを借りてキャンプ場に1泊2日の小キャンプに出かけたこともあります。 平日も早めに帰宅できるときは、東京駅近くのカフェでのんびりと小説を読んだり、旧友と食事に出かけたりしています。映画も好きなのですが、最近では名作といわれる洋画作品を英語の勉強がてら毎晩少しずつ鑑賞しています。平日夜のささやかな楽しみです。

岩田合同法律事務所には、留学の制度はあるのでしょうか。

当事務所の留学のサポート制度は、留学中のみならず、留学前も手厚いと思います。希望者については是非留学に行ってもらいたいというのが当事務所の基本的な方針です。 留学前の準備へのサポートとしては、「English Training Program」というネイティブの米国人カウンセルによる英語のみの講義や、TOEFL、外部英会話スクールの受講費の事務所負担制度等があります。また、当事務所でも渉外案件を取り扱っており、ときには外国に出張することもありますので、日常の業務で英語に触れる機会も多く、その際に外国弁護士と英語でディスカッションをすることもあります。 留学中の経済的なサポートについても、既に留学を経験した同僚弁護士からは十分な水準のものであり、安心して勉強に取り組むことができたと聞いています。 私自身、近い将来に留学を予定していますが、上記のサポートに加え、先輩弁護士に、願書の書き方から現地の家探しまで、幅広く留学準備の相談に乗っていただいたり、留学直前期に必要な英語のスキルアップのために多くの渉外案件を担当させていただいたりと、留学に向けた様々な配慮も受けられていると実感しています。

今後、どのような弁護士を目指しているか、目標をお聞かせください。

私は、渉外案件、知的財産法、個人情報保護法等を強みとしつつ、クライアントの様々なニーズに幅広く、柔軟に対応することができる弁護士を目指しています。また、長年の歴史のある岩田合同法律事務所の一員として、今後もクライアントの皆様から信頼していただける事務所であるべく、一つ一つの案件に誠実に対応していきたいと考えています。